「ステーキを売るな、シズルを売れ」ってのはホイラーなる人が言った有名な言葉である。つまり売りたい商品の機能を説明するのではなくて、それによって得られるメリットを共感できる形でうたうことが重要だと言っているのだ。これを最も効果的に取り入れているのがAppleのiPadのCMだろう。このCMの中でAppleはiPadにはこんな機能があるんですよなんて説明は一切しておらず、ただiPadを使った日常の風景を視聴者に見せて共感してもらうことを重視している。今、自分の周辺でこの差がはっきりと出ているのがWindows Azure と Salesforceのマーケティングの違いだ。前者ははっきり言って機能面の説明しかやれていないように見えるが、後者はツイッターにおけるユーザーらのツイートを見ている限りでは、シズルをうまく見せているという印象を受ける。なにせ後者のツイートで最近よく見かけるのが、ユーザーらが触っていて楽しいと言っている点である。このユーザー体験は大きい。AzureはVMロールやら既存MS資産との連携容易性などどんどん高機能化、洗練化されているのは結構だが、その結果、どのような素晴らしい世界をユーザーにもたらすことができるのかってビックピクチャーを描けないと一向にこの差は埋まらないのではないかと思う。そういえば最近読んだ書籍「良い製品=良い商品か?」にも同じことが書いてあったな。
ただTechほにゃららをはじめいくつかのセッションを見た限りでは、まだまだステーキを売ろうとしているなぁ〜というのが実感だけどね。