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2010年10月09日

クラウドの議論

クラウドについて色々と周りで議論することがあるが最近は技術論のみで語らないようにしている。そろそろ戦術レベルの段階から次の戦略レベルで語る時期にきていると思っているからだ。例えばNoSQLの場合だと非構造化ストレージのスケーラブルメリットのみで語られることが多いが、そもそもNoSQLのメリットを最大限に活用できる規模のデータがクラウド上に配置される前提が成り立つのか?というのがある(ここではクラウドサービス上のNoSQLに限定)。大量データの定義をここでは億単位または数千万単位とした場合、現実的にはB2Cサイトのアクセスログやデータウェアハウスがイメージしやすい。後者の場合だとSCM,ERP,POSなどから出力される業務データの蓄積が主になるが、これを前提とした場合、2つのパターンが想定できる。

・クラウド上に新規で同システム群を構築し、NoSQLにデータを蓄積するパターン
・既存オンプレミス上の蓄積データを、クラウド上のNoSQLに移行するパターン

前者は既にIT投資が一巡している日本において基幹相当のシステムをクラウドに新規構築するケースがそれほどあるとは思えず、且つコア業務はクラウドに向かないというのが定石と言われ始めている中にあって現実的ではない。後者の場合だとRDBをNoSQLへ、オンプレミスからクラウドへという論理、物理両面での移行に膨大なコストがかかり、且つクラウド上のNoSQLとオンプレの既存システムとの連携のために既存システムにも手を入れる必要がある。この結果得られるメリットがインフラ保守コストの低減ではどうやってもROI的にNGなのは容易に推測できる。余談だがインフラ保守コストの低減という(今時点の)伝家の宝刀についてだが、そんなにインフラ保守コストの負荷が高いのであれば保守契約を結ばないという選択肢もあるのではないだろうか?「ありえない」という人もいると思うが、最近出た日経系の雑誌でこの特集が組まれているほどなので、それほど非現実的ではないのだろう、特にクラウドに持って行ける程度の非コア業務については。
それではNoSQLは結局活用されないのか?というとそうでもなく、最初にあげたパターンにおける前者のパターンであれば活きてくる可能性もある。まぁこれはMapReduceとの組み合わせがより効果がある気がするが、このあたりも楽天やサイバーエージェントの事例があがっていたかな。まぁいずれもオンプレミスでのHadoop活用だけど。

なんにせよNoSQLの議論は過分に学術的な煙に巻くような話をよく見かけるが、これに限らず新しい技術を使うことで、ビジネス上どういった効果があるのか?そもそもその前提自体が成り立ちうるのか?という点についても議論をするべきだと思う。

Posted by GAMMARAY at 2010年10月09日 11:09 | TrackBack
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