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2004年05月04日

ドンキーホーテ・デ・ラ・マンチャの呪い

ロスト・イン・ラ・マンチャ

最近DVDには必ずと言って良いほど収録されているメイキング映像、「ロスト・イン・ラ・マンチャ」はまさに長いドキュメンタリー映像を見た感じだ。
しかもそういったDVDに収録されているメイキングと今作が決定的に違うのは、ロスト・イン・ラ・マンチャは世に出ることがなくなってしまった、欧州映画史上最高額の資本を投入したテリー・ギリアム監督の「ドンキー・ホーテ」が何故に失敗したのかを撮った作品だってこと。
脚本が奇抜過ぎる (そりゃギリアムだもん) とハリウッドに蹴られ、欧州資本で50億円もの巨費を投じたドンキ−ホーテはのっけから波乱含み。
・撮影開始前 : 役者が集まらない、小道具も欧州各地に点在。
・撮影1日目 : 撮影現場の上空でスペイン空軍のF-16が演習
・撮影2日目 : 激しい嵐に直撃されセット・機材がぐちゃぐちゃ
・撮影4日目 : ドンキーホーテ役のジャン・ロシュフォールが体調不良で撮影中止
・撮影5日目 : ジャン・ロシュフォールが検査の為フランスへ行く
その後、スケジュールの仕切り直しの為マドリードのベースキャンプへ撤収も、ジャン・ロシュフォールの体調が悪いとの連絡・・主演交代案をギリアムが退け経過待ち・・ジャン・ロシュフォールの椎間板ヘルニアによる長期離脱が決定・・ギリアムの片腕の助監督が辞任・・映画の中止が決定・・製作側と保険会社との契約不備により、映画化権差し押さえ・・ギリアム映画化断念

テリー・ギリアムはとにかくこの映画を撮ることに執着し、実に10年も構想を練っていたというが、到底50億の予算では完成は無理という内容ではあったらしい。
まぁギリアムは「バロン」で大失敗をしてるから、ハリウッド側も乗らなかったってことか。

とにかくこの作品、映画ファンにこそ観る価値が大いにある映画だ。
映画制作の舞台裏をここまでリアルに撮った作品ってかドキュメンタリーってないよマジで、なにせ失敗してるんだから、その内情はひどいもんだし、決して全ての映画が世にでるわけではないという現実が良く分かります。
ちなみにギリアムはこの半年後に「ドンキーホーテ」の映画化を再び決定し、現在保険会社と交渉中らしい・・

Posted by GAMMARAY at 2004年05月04日 01:20 | TrackBack
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