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2010年09月12日

Fast IT

この言葉はXDevの告知サイトで見たのだが、まさに今の自分が取り組まんとしているテーマを表した言葉だったので特に印象に残っている。「Fast IT = Cloud」なんて短絡的に考えているわけでは決してなく、ビジネス環境の変化や個別部門からの矢継ぎ早の要求に対して、如何に素早く対応できるITを築き上げるか?ってレベルの話。例えばサッカーにおいてプレイヤーに求められる必須の要素として”スピードとフィジカル”がよくあげられる。これはITにも言えることでスピードは変化に即応できる速さ、フィジカルは決してビジネスを止めない堅牢さに置き換えると分かりやすい。

これらを成し遂げるのに「やっぱアジャイルだよね」「やっぱりテストの自動化だよ」「いやOOで作ることさね」「クラウドだよ」「SOAでんがな」って議論は、まったくどうでもよくて、重要なのは「要求を漏れなく矛盾なく獲得し」、「要求を確実に仕様に落とし」、「仕様を無理なく品質も考慮して設計に落とし込み」、「なるべくシンプルに実装し」、「要求が満たせていることを確実にテストする」という、教科書にも書いてあるような当たり前のことをまずは確実にこなすことができれば、スピードとフィジカルは後からついてくる。

もちろんこれが難しいから上に挙げたようなバズワードが乱発されていくわけだが、実際は組織能力の欠如により当たり前のことができる状況であっても結局やれていないというのも結構多いと感じる。そもそも組織能力が低い状態で無理なクラウド化やアジャイル導入は、ろくに基礎も出来ていないチームで、無理やりバルセロナやアーセナルのような高速バスサッカーをやろうとするようなもので、これではチームとして連動するわけがない。そしてこの組織能力の向上は一朝一夕では不可能な話で、まさに「戦術と戦略と兵站」で言うところの兵站のレベルの話になる。つまり長期的な取組が必要なわけだ。これは開発側にも発注側にも言えること。
下手な小手先のテクニックに走る前に、まずは基礎を土台を徹底的に固め、チーム力を底上げしてから、新しいものへと取り組んでいく、これは国家間の戦争でも、サッカーチームでも、システム開発プロジェクトでも、人と人の連動によって成り立つものすべてに言えることだ。そして経営者もCIOもIT部門もPMもアーキテクトもSEも設計者も実装者もテスターも皆がこういった意識を持たないと、結局は無駄なITを増産するだけだ。
自分としては最近は特にこういったことを考えることが多いが、学校でいろんな先生方やCIOの方々の話を聞いていると、考えていることや悩みは同じという思いを強くするばかりだ。

Posted by GAMMARAY at 2010年09月12日 13:26 | TrackBack
Comments
これは面白い!!ここ何年か感じていた技術論、方法論への疑問やうちの会社のチームの問題点を簡潔に纏めてくれた感じ。本質を読みといて纏め力には毎度毎度関心させられますよー。 Posted by: ナカムラ at 2010年09月13日 09:39
いや〜思いのたけを書きなぐってみましたw。 Posted by: GAMMARAY at 2010年09月18日 01:13
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