CIO特論で講演をされた良品計画CIOの小森さんによると、こちらの会社の基幹システム(MD)は、なんとデータを全てテキストファイルで保持しているらしい。RDBでもメインフレームでもなく、テキストファイルというのだから驚いた。これをシェルで処理してCGIですべてが出来上がっているとのこと。これはコア業務はとにかく業務が分かっているプロパーによる内製化を徹底するために最大限にシンプルなシステムにこだわった結果ということだ。なので要件を詰めるのもとにかく早く、しかもシステムがシンプルだからとにかく構築も変更も早い、ユーザー側や経営側から何か言われようものなら直ぐにシステムを変えていくという圧倒的なスピード感が全ての問題を駆逐していったのだそうだ。いまやこちらの会社ではユーザー部門とIT部門の双方から業務改革の提案があがってくるまでに熟成されているらしい。正直この話を録画で聞いた時は、かなりびっくりしたものだが、「真の価値あるITは、業務を横断的に見れるIT部門以外は作れない」というのは、自分も最近つくづく思うところなので、なるほどと唸るのみだった。
世の中には最先端のテクノロジー、○×方法論などを使ったとしても使えないシステムが氾濫している中で、「製品技術や方法論がいくら向上しても、結局それを使いこなせる組織力がなければ意味がない」、その目線でゼロから見直した結果が圧倒的な効果を生み出しているのだとしたら、我々がよりどころとする技術(=IT)というもの自体をもう1度見直すべきなんじゃないかとしみじみ思った次第。