自分の中では既に終わっていたダニーボイル監督がまさに起死回生の傑作を作り上げた。ともすればよくあるデート映画程度で終わっていたかもしれない内容を、あのミリオネアと絡めることで珠玉のラブストーリーに仕上げている。去年のオスカーレースに「ダークナイト」が選ばれなかったことで、スラムドック$ミリオネアって本当に何年かに一度の傑作を超えるほどの作品なのかよと、かなり穿った見方をしていたのだが、なるほどこの内容ではアカデミーの立場からしてもこちらを選んで妥当だったと今は理解できる。
冷静に考えたらダニーボイル監督って地味ながら「普通じゃない」とか撮っており、世間の評価はともかく個人的には好きな作品で、文字通り普通じゃないラブストーリーこそが彼の真骨頂なのかもしれない。
とにかく素晴らしい作品で、とても切なくも優しいラストは是非皆さんにも見てほしいですね。