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2009年01月03日

不況のカラクリ

これほど急激な世界不況について一応TVではサブプライム問題ということで語られているが、どうもそもそもの原因はそこだけじゃないんじゃないかって疑問がずっとあったこともあり、正月休みにちょっと自分なりに調べてみて少し今の状況をもたらした原因の本質が見えてきた気がする。細かく書くとかなり長文になるので、時系列で簡単に歴史を書いてみる。

・70年代の2度の石油を契機に先進国の成長率が鈍化
(つまり従来の産業資本主義の限界)
      ↓
・米国を中心に金融資本主義へシフト
(サッチャーの為替取引自由化など立て続けて規制緩和実施)
      ↓
・株価総額を重視する評価制度への偏重
      ↓
・企業は内部留保を貯め込む必要に迫られコスト削減を重視
(下請けへのコスト圧縮、派遣労働者の積極採用、正社員に給与抑制)
      ↓
・日本もグローバリズムの名の下に金融資本主義へ舵を切る
(1999年派遣法改正)
      ↓
・サブプライム問題が深刻化
      ↓
・派遣労働者の契約解除続発

ということになるようだ(かなり乱暴だけどね)。
ここで問題になってくるのが、今の時代の企業経営は以前のような社員を守ることが美徳であるという風潮から、株価をどれだけ高くできたかで経営の良し悪しを決めてしまうという風潮が蔓延してしまっていることなのである。実際の派遣切りを行っている自動車会社も電気会社も内部留保自体はかなりの額になっており、日経でも大手16社の内部留保は過去最高に達しているとあった。
にも関わらず少し売上が落ちたからと言って、内部留保を切り崩すこともなく簡単に派遣を切るのは、ひとえに株価の下落を気にしてのことというところに行きつくのである。
まとめれば確かに直接的にはアメリカの投資銀行の行き過ぎた投機が今の状況を作ったことは確かだが、では何故これら投資銀行がこれだけの強欲主義に走ったのかについての議論しなければあまり意味がないということなのである。
そういえば大学では経済学を専攻していたんやけど、確か当時ノーベル賞を取った金融工学の権威が2名も在籍するヘッジファンドが破綻したというニュースを見たことがある。自分もデリバティブ分野の教科を何気なく受けた気がするがなんかよく分からずに単位を捨てたことがあったなぁ(^^;まぁそれだけの今の金融商品ってのは複雑怪奇ってことなんでしょうね。

ここで自分の身に置き換えてみると、IT業界は企業の旺盛な設備投資意欲によるところが大きいため、なるべく内部留保をためてもらって、それらをIT投資に吐き出してもらう必要があり、こういった一面から今の状況をみると派遣切りなどのコスト圧縮策も少し複雑な思いで見えてきてしまう・・。
この状況を各国政府はどう乗り切るのかってところは非常に難しい問題で、オバマ大統領にせよ、衆院選後の新政権にせよ、非常に難しい課題を解決しなければならないってことだけは確かだ。

Posted by GAMMARAY at 2009年01月03日 22:46 | TrackBack
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